第4章 ドS彼氏、教える
そして授業後。
「全く、お前は俺の授業を聞く気はあるのか?」
「…ありまーす…」
「じゃあ何で俺の質問に答えなかったんだ?」
「えぇっと……」
彼氏のことを見ていましたー。
…なんて、絶対に言えないし……。
私がしばらく無言でいると、先生はある紙を取り出した。
「何ですか?それ」
「あぁ、これはな。
この前やった小テストの採点したやつだ。…お前のだぞ」
ぴらっと裏返されたテスト用紙を見ると、
「…うぇ!?こんなにひどかったんですか!?」
…まさかの25点。
問題数も少なく、簡単なものと先生は言っていたのだが…。
「あの、まさかこれって……」
「あぁ、そのまさかだ。
…今日の放課後から“補習“な」
この小テストの前に先生はこう言っていた。
“一番点数の低かったやつは一週間補習だ"と。
…うそぉ…補習なんて、嫌だよ……。
「まぁ、授業しっかり聞いてなかったのもあるしな。丁度良かったんじゃないか?」
…全然良くないです。
はあ、と溜息を一つついた。
「あ、でも…俺は部活見ないといけないからな…」
! もしかしたら、なくなるかも…!!
だが、次の先生の一言でそんな私の希望はなくなる。
いや、希望がなくなるというより絶望へと変わった、と言ったほうがいいのだろうか。
「あ、でもこのクラスには、学年一位の朝霧がいるからな。
朝霧に頼むか!」
…………え。
学年一位の朝霧って……。
私の彼氏の朝霧愁夜くんのことじゃないかーー!!