第2章 帰って来た彼と恋人
『はい、4月で中学3年になります』
『えっ、私達と同じ年!?』
『えっ、そうなんですか?』
同じくらいの身長だったからてっきり年下かと思ったのはだけでなかったようで、筧もまた小柄な少年がまさか同じ年とは信じられずに目を見開いていた。
『なら敬語はやめよ?私は、此方は筧駿、よろしくね小早川君。』
『よろしく』
『ああ、よろしく』
『ところで、いつもあんな風に荷物持ちをさせられているの?』
『えっと、・・うん』
『そんなの良くないよ!小早川君、嫌な事ははっきり嫌だと言わないと』
『そうは思うんだけど・・一応友達だから』
『友達!?』
『・・あれは友達とは言わないだろ』
『筧、はっきり言い過ぎだよ』
『はっきり言うべきだろ、小早川君君の人柄にあいつらは甘えているにすぎない、このままでは尚更酷くなる一方だと思うぞ』
『・・でも、彼ら以外に友達いなくて』
『私達、もう友達でしょ?』
『えっ』
『小早川君と私と筧はもう友達だよ、だから困ったことがあったら何でも相談して、ね?』
『さん』
『でいいよ、名字呼び苦手だから、私もセナ君て呼ぶね』
セナは恥ずかしそうに俯きながらも頷いてくれた。
周りにいる男子はどちらかと言えば大柄な男子が多いので、セナのように同じ目線で話せる男子に は親近感が沸いていた。
それから暫く会話を楽しんだ3人はセナに手をふり別れると、自宅へ向かい歩き出した
『嬉しそうだな、連絡先迄交換して』
『筧も交換してたじゃない』
『俺はセナ君がまた嫌がらせを受けないかと気がかりだったから』
『へ~、優しくなったね筧』
『悪かったな、昔は優しくなくて』
『・・そんな事ないよ、筧はずっと優しかったよ。少し擦れてただけで』
遠慮のない物言いにも気にした様子もなく笑っている筧を見て、はやっぱり驚かずにはいられなかった。
『筧、2年前はごめんね。叩いた事・・』
『ああ、あれはお前が悪いわけじゃないだろ、別に気にしていない、寧ろお前の気持ちが理解出来なくて悪かったな。』
『・・ううん、それは良いの。もう2年も昔の事だし今の筧は違うでしょ?』
『色々あったからな・・』