第19章 近くて遠い恋《6》
「早いほうがいいんだろうけど、明日中に急ぎの仕事終わらせたいから、明後日なら時間とれそうなんだけど…」
「う、うん!家康の都合で大丈夫だよ!」
「(家康と居れるなら、いつでもいいに決まってる!)」
「そう…じゃあ明後日の昼過ぎに、俺の御殿に来てくれる?」
「うん!わかった!」
「じゃあ、俺、広間に戻るから。病み上がりなんだし、早く部屋に戻りなよ」
「うん。おやすみなさい。」
「…おやすみ」
家康は広間に戻っていき、私は家康の背中が見えなくなるまで、そこに居た。
「(嬉しい!家康と会う約束できた♪)」
宴の最中は、いろいろと落ち込んだり悩んだりしてたのに、家康と話せただけで、一気に落ち込んでいた気持ちはどっかにいく
家康にとっては『仕事』かもしれないけど
それでも、私は一緒に居れるのが嬉しかった