第19章 近くて遠い恋《6》
「え?あれ?何で家康が持って……」
自分の体をペタペタ触りながら、無いことを自覚し、家康に聞く
「やっぱり。陽菜が座ってたところに転がってたから…」
はい。と手のひらにコロンと置かれた。
「ありがとう…わざわざ持ってきてくれて…」
「別に…外の空気吸おうと思ったついでだから。」
ついでなんだ…それはちょっと残念…
でも捜して持ってきてくれたのは嬉しかった。
「それでも、ありがとう…」
笑顔でお礼を言った。
「っ…あのさ……」
「?なに?」
「…まだ、する気ある?薬学の勉強…」