第4章 ゆ か た *K.N
「ねぇ和くん、お祭りい『行かない。』
愛しい人からの提案は即没。
だって、ね。
「なんでよ~」
『だって暑いのやだもん、』
「じゃあ、私が浴衣着るって言ったらいい?」
『それもやだ。あなたの浴衣姿なんてほかの男どもに見せられるわけないでしょ』
「ん~和くんのいじわる!」
そう言ってすっかり彼女はいじけてしまった。
そうなると、なかなか機嫌は直らない。
『仕方ないなあ、ほら行きますよ』
そうやってひと声かければもう元通り。
ぱあっていう効果音と共に彼女はたちまち笑顔になった。
「ねね、浴衣着てもい?」
『いいですよ「和くんも!!」
仕方ない。
…数十分後。
「んんん~和くんかっこいい、、」
浴衣を着て、髪をアップに纏めたあなたが出てきた。
うん、十分似合ってる。
手を差し出して、
「行こ?」
なんて。全く、できた彼女ですねえ。