第5章 ご主人様との出会い
トントン
「美咲さん、ちょっとお話が
あるので入ってもいいですか」
(正和さん?何の用だろう)
『はい、どうぞ』
部屋に入って来たのは、正和さん
と男の人だった。
とても体格が良く、スラッとして
いた。無駄な筋肉がない。
『正和、2人にしてくれないか』
「はい」
そう言うと正和さんは部屋から出て
いった。
沈黙が続く中、それを破ったのは
男の方だった。
『私はここの主の高橋雅也だ』
『あ、ご主人様だったんですね』
(ご主人様、か。何と響きがいいか)
雅也は顔を少し赤く染めた。
『私は佐藤美咲です。今日から
よろしくお願いします』
『美咲、提案があるんだが・・
明日から私の専属メイド
になってくれないか』
雅也は思い切って話を切り出した。
『えっ、でも・・』
美咲は戸惑った。
ご主人様の専属。
責任が重い。
『だめか?』
(そんな切なそうな顔をされたら
断れない)
『い、いいですよ』
『そうか、じゃあよろしく頼む』
雅也はそう言い残し、
部屋を後にした。