【跡部】All′s fair in Love&War
第33章 おわりのそのまえに(後編)
「ジロちゃんと、千花ちゃんと跡部と一緒にいる度、二人きりでいいのになって思ってた」
がつん、と殴られるような衝撃。そんなの、俺だってずっと思ってた。
「でも、私が好きって言っても、ジロちゃんは私のこと、好きって言ってくれないからっ…友達としてじゃなくて、男の子の中で一番好きなんだよ、って言っても、何も返してくれないから…」
もう、訳が分からなくて。この三年間がぐるぐると回る。
「いつも一緒に居てくれるから、嫌われては居ないんだな、いつかは好きになってくれるかなって…でも、もう、ダメかなって」
「…何が、駄目なの」
「千花ちゃんが居なくなったら、四人でいる意味もなくなっちゃうから…跡部が千花ちゃんの事を好きだから、だから私も交えて、一緒に居させてくれたんでしょう?」
もう其処にいるのは、俺の知っている守河じゃなかった。俺の事が好きだ、と泣く守河は、それはもう恐ろしいほど、可愛い。俺の事をどうしたいんだろう、なんて思う。
松元の事が好きなんだ、と色眼鏡を通して見て、誤解し続けていたんだとしたら。俺はなんて失礼な事をしてしまっていたんだろう?
「守河、」
ゆるり、と腰を動かす。少し放置してしまったからか、僅かな水音が響くも、引き攣れてしまって守河が身体を捩った。ならば、と俺も上体を起こし。さわさわと、蕾のあたりで指を蠢かしながら、かぷり、と胸の頂点に噛み付いた。
「ひゃあっ、あっ…!!」
「ね、おれが、好きでもない子とこんな事すると思ってたの」
「は、んっ…だって、男の子だから、そういう物かなってっ…それっ、に、」
お互い様でしょ――そう耳元で息も絶え絶えに囁かれたから、違いないな、と苦笑しながら、指の速度を早めた。ぺろぺろと頂きを舐めながら、もう片方の腕で反り返る守河の背を支える。甲高い声を上げて守河がびくり、と痙攣すると、繋がった部分がぎりぎりと締め付けられ、そしてしっとりと潤うのを感じた。萎えてしまった俺の物も、それで完全回復だ。