第2章 *:.。..。.:+・゚・✽:.。..。.:+・゚・✽
【透明な日々 3】
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「理由…って、わけわかんねぇ…
バイトは俺が好きで…」
「じゃあ…、なんで雅紀のとこを辞めた?」
「それはっ」
言葉に詰まった俺を見据え、翔は淡々と話す
「だから、バイトも辞めてもう少し学業に専念しろよ。
……もう、余計な事に気を回さないで済むだろ」
いつもこうだ
翔は勝手に何でもひとりで決めてしまう
どうして俺の話を、聞こうとしない?
「あとは荷物纏めて、
段取り着いたら、業者に依頼するから」
俺が望んだ事は、
こんな事じゃないのに……
椅子から立ち上がった翔は、勝手な言葉を好きなだけ並べて
俺に背中を向けた
知らないフリした俺が、悪かったの?
「翔は……
俺を捨てんの……?」
思わず吐露した言葉に
翔は、一度立ち止まったのに、……振り返ることもなかった
本気で俺を手放す気かよ?
何故だろう、
初めて施設で出会った時の映像がフラッシュバックして
気づけば
……涙が溢れてた
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