第2章 *:.。..。.:+・゚・✽:.。..。.:+・゚・✽
【未来予想図】
今度こそ終わりにしてしまおう
秘めるだけの想いは
叶わないから言わなかったわけじゃない
何処かに微かな希望があったから、言えなかっただけかも知れない
優しいアイツなら、
同情でも受け入れてくれるんじゃないかって……
だけど、悔しいくらいにアイツは、
一途に二宮を思ってたから
もう、終わらせなきゃって、思ったんだ
だから最後に…
完全なエゴだよ
やっぱりお前を、悪者には出来ないから
じゃないと、俺はまたずっと後悔しなきゃならない
ダウンライトの灯るリビングで
ソファーに腰を下ろし、タップしないまま、電話を手にする
「雅紀、あのさ
どうして嘘ついた?
潤にああ言えば、すべて解決すると思った?」
夜更かししてる潤なら、
リビングで話す俺の声に気付くだろう
自暴自棄になってるわけじゃないし
すべてを無くすつもりでもない
俺はさ、
これを乗り越えられたら、ホントに前に進める気がしたんだ
傷付けることにはなるけど
アイツは元々、すべてを知りたがってたんだから
こうなるのが、自然なんだよ
「お前や二宮を陥れてさ、無理矢理抱いて
あの店で働かせたのも俺だしね」
ギシッ…、と微かに軋む音が廊下から聞こえた
わざと荒げるよう意識する
「お前は相変わらずバカだよな。
あんな風に庇ってさ?俺の事、憐れんでるの?」
これを聞いたら、
傷付けるのは確実だよ
完全に嫌われるかも知れないね
その時は、受け入れるしかない
「自分は幸せだからって、同情されても迷惑なんだよ」
次に顔を合わせた時
どんな顔をするのかな
何も聞いてないふりして、笑ってくれる?
俺の過去を受け入れて、
それでも一緒にいてくれる?
それとも、この生活に終止符を打つ?
怖いけど、もう、覚悟しないとな
「そんな可哀想だって思うならさ、
またヤらせてよ」
あの過去を思い出す度に
まっさらなお前を汚した罪で、押し潰されそうになった
なのに、裏腹に欲情する俺もいてさ……
ずっと、ずっと苦しかった
最後に、お前が笑ってくれたから……
俺も……いつか、
笑えたらいいなって、思うんだ
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