第2章 *:.。..。.:+・゚・✽:.。..。.:+・゚・✽
【call】
いつもの時間に鳴り出したアラームで、反射的に目が覚める
気怠い身体を引き起こすと、アチコチ痛くて思わず苦笑いした
あんな、"キッチンの床で"なんて……
付き合い始めた頃ぶりくらいかな(笑)
カズとシャワーを浴びて、
自分の部屋のベッドに入ったのは、何となく覚えてる
そのあとは、あっという間に寝ちゃったんだろな
キッチンはキレイに片付いてて、カズの気配はない
今日は、打ち合わせって言ってたっけ……
セットしてあるコーヒーをマグカップに注いで、椅子に座った
濃いめのブラックコーヒーが、眠気を覚ましてくれる
支度して、俺も店に行かなきゃな
ゴクンと喉を鳴らし、立ち上がると
タイミングを見計らったようにケータイが鳴った
疑いもなく、カズだと思って耳を充てると
そうじゃなくって、ドキッとした
『雅紀…』
「…しょーちゃん」
優しい低い声
耳元を擽るように響いた
『時間作って欲しいんだ。
ふたりで会いたい』
ドクンと跳ねた心臓が、ざわざわと騒ぎだす
前置きもなく、告げられた台詞
"ただ"、会いたいだけなら
きっとこんな風には響かない
躊躇って、息を飲み込む
『ちゃんと、二宮にも許可貰ってるから』
「え…?」
何となく、点と点が繋がった
昨日のカズの表情も
らしくない乱暴なセックスも
だから、なのかなって
たぶんカズは、しょーちゃんに会って欲しくないんだよね?
だけど、俺の中にある痞えみたいな物に気付いてくれてるから……
きっと、そう応えてくれたんだと思う
「…わかった。
どこに行ったらいい?」
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