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DIVE TO BLUE 【気象系BL】

第2章 *:.。..。.:+・゚・✽:.。..。.:+・゚・✽


【欠けた月】




棚の整理をしながら、
レジでお客さんと話してる雅紀さんを眺めていた


なんか、いろいろ考え過ぎて…しんどいっつーか


いつまでもウジウジ考えてるのは、性に合わない



翔は、普通にしてるかも知んねーけど、

微妙な変化、俺にはわかるよ


一緒に暮らして、何年経つと思ってんだよ……





セールも終わった、平日の夕方は空いてるから、

レジのお客さんが帰ると、店内は俺と雅紀さん、2人になった



遠回しに聞くより

もう、いっそのこと
単刀直入に聞いてしまった方がいいのかも知れない







手にしていた服を棚に戻すと、雅紀さんの元に近付いた



それに気付いた雅紀さんが、顔を上げ視線を合わせる





「どうかした?潤くん」




ニコニコと笑う雅紀さんに、少し躊躇いながら……




「あの、翔のことなんですけど……

雅紀さんと、昔なんかあったんですか」



唐突なセリフに、瞬間真顔になったけど……


直ぐに、いつもの笑顔に戻る




「何かって……何にもないよ。どうして、そんなこと聞くの?」

「最近、翔の様子が変だから」

「へん?」

「雅紀さんと会ってから……」




さすがに、その言葉には顔色が変わった




カズさんも言ってた

"雅紀は嘘つくの下手だから"、って……





「考え過ぎじゃない?

しょーちゃんとは、ただの友達だよ」


「……」




誤魔化すように、途端に服を畳み直したりして……


カズさんの言葉をリアルに感じる





それにさ?


"ただの"なんて、


わざわざ付けるなんて、不自然だよね





形にならない疑惑が
少しずつハッキリと縁取られ……


確信に変わる


黙った俺に、
必死で違う話題で空気を変えようとしてくれたけど……


ごめんね雅紀さん


やっぱりこのままじゃダメなんだよ



俺はあまりに、
翔のことを知らな過ぎるから



やっぱり、知りたい



例えそれが、
みんなが隠したい事でも



俺にだって、知る権利があると思うんだ




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