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DIVE TO BLUE 【気象系BL】

第2章 *:.。..。.:+・゚・✽:.。..。.:+・゚・✽


【モノクロ 2】






「しょーちゃん…」





寝室のベッドで


間接照明だけをつけ、本を読んでいると


微かに開いたドアの隙間から、潤が俯き加減で覗いてる





遠慮がちに声を掛け、
ぎゅっと、パジャマの裾を掴んだのに気付く







「どうした?

眠れないの?」

「うん。……ねぇ、ちょっとだけ、話してもいい?」








布団を捲り、少しずれると、潤のスペースを開けた


嬉しそうに頬を綻ばせ、隣に潜り込んでくる






自然と目を細め、読んでた本を閉じた




母に絵本を読んで貰いながら、眠った夜を思い出す







潤には、


眠れない夜に、甘えられる母親もいないんだ








「潤、今日はさ……

学校で何したの?」



片肘を付いて、
潤の弾んだ声に耳を寄せた





「しょーちゃん、今日はね……」




澄んだ眼差しが俺を見つめ


"しょーちゃん"と真っ直ぐに呼ぶ



幸せに見え隠れする過去


その狭間で、切なさで、苦しくなる







アイツと重なる笑顔は



幸せと同時に、俺を追い詰めた









次第に口数が少なくなった潤が……


瞼を伏せ、静かに寝息を立て始めた







潤は、


俺が守ってやんなきゃ……


側にいてやらなきゃ……


幸せにして、あげたいから……









小さな温もりに身体を寄せ


俺も、瞼を閉じた






---……







結局


すっかり遅くなって帰宅した、その日の夜


リビングのソファーで眠る潤を見つけた







生意気なことを言うクセに、

あの頃と、寝顔は変わらないんだな








傍らのソファーに座り、

懐かしい記憶に胸を締め付けながら




何となくもう、

この平穏な生活が終わりに近づいてる気がしていた







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