第2章 *:.。..。.:+・゚・✽:.。..。.:+・゚・✽
【モノクロ 1】
「やっぱり、
君に連絡してきたんだね」
出勤して直ぐに、
昨日、潤があの店に来た理由がわかった
今更、何を知りたいのか
詮索してどうする気かはわからないけど
「社長……すみません。
私が勝手に……」
「イヤ。構わないよ。
ただ昨日は、別の用事であの店にはいなかったけどね……」
何も問題ないよと笑顔を見せたけど……
内心かなり、
俺は焦燥していたと思う
秘書である彼女は、
俺の仕事先や身の回りを把握しているけど
さすがにあの店の、裏は知らない
誰にも知られてはいけなかったのに……
だけど、まさか
潤と智くんに接点があったなんてな
妙な胸騒ぎが、
俺の頭を不安だけで埋めてく
「社長…、あの、
出過ぎた事かも知れませんが……」
「……なに?」
躊躇いながらも、
潤を弟のように可愛がってくれる彼女だから、
アイツのためを思って、
話してくれたんだと思う
「潤くん、
寂しいんだと思いますよ。
社長が忙しいのはわかってますけど……
もう少し早く帰ってあげたらどうでしょうか」
正直、意外だった
確かに最近は、精神的な不安から、
アイツと顔を合わせるのを避けていたのかも知れない
だけど、寂しいだなんて
アイツはもう、高校生だし
「すみません。
何となく、そう感じて…」
「いや。ありがとう」
そうするよ、と笑顔で応え
自分のデスクについた
寂しい、か
本当にそう感じてくれているのか
聞いてみないと、わからないけど……
そんなの、……聞けるわけがない
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