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DIVE TO BLUE 【気象系BL】

第1章 ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚


【インナーワールド】





一度思い立ったら、気になって仕方なくて……


黒のダウンジャケットを羽織り、ニット帽まで目深に被って部屋を出た


どうせ、こんな時間に翔は帰って来ない


そう、確信してた







頭に浮かんでる場所


聞いた住所と、重なってる


未成年は入れない、なんて珍しいワケじゃないだろうけど……


繁華街から少し離れたその場所は、隠れ家みたいになっていて、
近代的で高級感漂う雰囲気は異彩を放つ






「やっぱり……ココか」







ライトの当たらない、
道の端に佇んで、その場所を眺めてる


エンブレムを付けた高級車が店に乗り付け、


いかにも金持ちそうなヤツが、店の中へと消えてく






翔に見つからないようにって、地味な格好してきたけど……

金銭的にももちろん、
中に入るのはどう考えたって不可能だな

店の出入り口に時折現れる黒服が、
俺の存在に気付いてる気がして居心地が悪かった







それに、ここまで来といて、
翔の居場所を突き止めた所で、俺はどうするつもりだったんだ……?


あまりにもガキ臭い、
衝動的な行動に、迷いが生じた


ただ……


俺は、翔の事を知りたいだけで……





すっかり冷え切った掌を握り締めて、別世界みたいな建物を眺めていると


中から出て来たスーツ姿の男の人が


俺に近付いて来るのに気付いて身体を強張らせた







だけど……


見覚えあるその顔に、安堵の息が漏れる


俺にとってその人は、いい印象しかなかったから……








「どしたの?……キミ」






……理由なんて、他人が聞いたら馬鹿げてる


黙ったまま、
その人を見つめていると






「寒ぃし……

とりあえず、おいでよ」





そう言って、店内へと誘ってくれた





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