第1章 ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚
【透明な孤独感】
振り返った顔は……
いつもと何も、変わらなかった
「……何だよ、突然(笑)」
「……」
だけど、
立ち止まって振り返るまでの数秒で、
取り繕ったんだよな……?
違う?
「思い出したんだよね。
なんかさ?ホラ、雅紀さんて、そう呼ぶじゃん?」
「あ~…」
曖昧に笑って、そう言えば……なんて呟いて……
そりゃ、まさか
そんな疑いを俺が持ってるなんて思わないよな?
だけどさ、俺は、いろいろ気になってんだよ
俺の存在が、翔の重荷になってんじゃないかって……
ずっとさ……
翔は、俺に何も話してくれないから、やっぱり知りたいよ
全てじゃなくても、
少しくらいはさ
「ねぇ、そう呼んで欲しいのってさ?雅紀さん関係あるの?」
「はぁ?」
「だってさ…?翔をそう呼ぶ人、他に聞いた事ないんだけど。
カズさんだって呼ばないし?」
「そうだっけ?
……ってか、どーでもいいだろ。そんな昔のこと」
翔にしても、カズさんにしても……
いちいち何かが引っ掛かってしまう
一度、解いた糸は
きちんと手繰り寄せないと
……もう、
絡まるばかりだ
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