第1章 ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚
【a Day in Our Life】
「ちょ…っ!ナンだよこれっ」
「なにが?」
「足んねぇよ」
「もっと欲しいって?……充分だろ?」
「っ……有り得ねえ」
翔から握らさられたのは、500円玉ひとつ
「マッサージ30分500円て、安すぎるだろ!?」
「相場じゃね?お前、素人なんだし(笑)」
「あ~っ、頑張って損したわっ」
500円玉を握り締めたまま、ラグの上にふて寝すると
翔は笑いながら
当たり前みたいに言ってのけた
「稼ぐのは大変なんだよ。
簡単にお金は手に入らないの(笑)」
ガバッと上半身を起こし振り返る
翔は、クククと笑いながら、目尻を下げた
確かに……そうだろうけど……
「ガキが金持ってどうすんの。ロクな事ないだろ」
「でもさ?俺、高校生だよ?小遣いなしってどうなの?」
「必要なものがある時は言えって言ってるだろ?……言えないもんは買うな」
「……じゃあ、言えるもんなら何でもいいの?」
「モノに寄るかな」
「あ~っ、かてぇよ翔は!」
かなり稼いでるクセに、
その辺ヤケに厳しいからな
もうちょっと、甘やかしてくれてもいいと思うんだけど……
「あ~、そういや欲しいモノあった」
「何?しょうもない物は無理だよ」
「ちげーよ。生活必需品だって」
俺を見下ろす翔に、
仕返しとばかりに、ニヤリと笑う
「"コンドーム"……明日、デートだから♪」
イイ歳して、
真っ赤になった翔が、
堪らなく可笑しかった
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