第1章 ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚
【アウトライン】
ご飯をご馳走になったあと
カズさんの入れてくれたカフェオレを飲みながら、しばらく話した
人当たりが良くて、
話上手なカズさんとは
初対面だと忘れてしまうほど楽しくて……
「って、信じらんねえ、コイツ」
会話の途中、何かに気づいて、視線を横に流したカズさん
それを目で追うと、
頬杖をついた雅紀さんが、ゆらゆらと揺れていた
「………寝て、ますね?」
「寝てるね」
「あ、俺、そろそろ帰ります。翔に電話するんで」
「いいよ?俺送るから」
「でも」
「ちょうどタバコ切れてたから、外出たかったんだよね。
……行こっか」
奥から出してきた毛布を、雅紀さんに掛けると
上着片手に、玄関に促した
「最近遅くまで仕事してたみたいだからね。
あのままにしとくわ」
「なんか俺、急にお邪魔しちゃって……」
「あーいいのいいの。
あの人、潤くんの事すげー気にいってるし。
楽しそうにしてたでしょ」
「は、い」
カズさんにナビしながら、家に向かう
運転する横顔を見つめ、話し掛けた
「あの……翔は、
昔、どんなでした?」
「え?」
「いやあの…いつも仕事ばっかで、
彼女も作んないし、昔っからカタいのかなって」
気になってることを、ダイレクトには聞けなくて
そう切り出してはみたけれど、
カズさんは笑って、何も言わない
「忘れらんない人でもいたのかな~なんて」
だけど、
交差点を曲がり、目的地の通りに出た時
カズさんは、ぽつりと話し出した
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