第1章 ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚
【謎解きはバイトのあとで 1】
いつもの放課後
棚を整理しながら、
鼻歌を歌う雅紀さんを見つめてた
余計なことっちゃあ、余計なことなんだけど……
やっぱ気になんだよね
翔の忘れられない人……
翔がダメなら、雅紀さんって手があるよな
失礼だけどさ
雅紀さんのが探りやすそうだし?
不自然に思われないよう、棚を片付けながら雅紀さんに近付いた
「あのぉ」
「ん?どうかした?」
ポップを書いてた雅紀さんが顔を上げ、
俺に笑顔を向けた
奪い合った仲かは憶測だけど
この笑顔は、威力あるよな……
勝手に納得しながら
俺も笑って見せる
「この前……翔と会って、その……話しました?」
「へ?」
「あの…、ほら?
アイツ元気かって……」
いきなりすぎた?
雅紀さんはキョトンとして
なにが?って表情を浮かべてる
「あ~っ///あの、
翔って、高校生ん時どんなだったのかなって……」
「うん?」
「興味っつーか、その、
どんなだったか~なんて、」
ワケわかんなくなって、
しどろもどろな俺に、雅紀さんがアハハと笑った
「しょーちゃんはね。
頭いいし、面倒見いいし、優しいし
すっげぇ、カッコ良かったよ?」
「あ~、ホントっすか?」
聞きたいのは、
そこじゃないんだよな
内心ブツブツ思ってると
思わぬ展開に、
小さくガッツポーズをした
「仕事中だし、他のスタッフもいるし。
なんならさ?ウチ遊び来る?」
「行って、いいんですか?」
「いいよ、おいでよ。
カズに潤くんの事話したら、会ってみたいって言ってたしさぁ?」
カズ……!
カズコかカズミか知んねえけど
翔が未だに引きずるイイオンナに、やっと会えんだな
「潤くんの都合いい時、
いつでもおいでね」
「カノジョさん、大丈夫ですか?」
「え?大丈夫だよ?
だってアイツ、ほとんど家にいるし……」
「え?そーなんすか?」
「ゲームばっかしてんの」
「へ、へえ~……」
どんなオンナか
全くイメージ湧かねぇ
家にこもってゲームばっかしてるいいオンナってどんなだよ
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