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DIVE TO BLUE 【気象系BL】

第1章 ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚


【imitation】





妖艶に乱れた様は幻だったのか……


同一人物とは思えないほど


普段の彼は
実年齢よりずっと、幼く見える


今更なのに、会う度思う







ルームサービスのサンドイッチを摘まみながら、


クダラナイ深夜番組に、
声をあげて笑ってさ


Tシャツ姿の彼を後目に、
シャワーを浴び、早々に帰り支度を済ませた




煙草に火を点け、ベッドの端に腰を降ろすと


ソファーから顔だけ覗かせて


一本頂戴と、手ぶりで訴えてくる





「今、食ってんじゃん(笑)」




紫煙を吐きながら、そう言うと


ソファーの背もたれに、
トントンと手を鳴らして催促してきた





「……そろそろさ、

帰んなくて大丈夫?」





側に近寄り、煙草を手渡して
咥えたそれに火を点けてやる






「よく言うよ。
呼んだのそっちだよ?」


「ハハ…だな。

って、……そろそろ帰んねーとヤバイ?
待たせてんじゃね?」





時計はとうに日が変わっていて


俺もそろそろ帰らなきゃなと、煙草を灰皿に押し潰した





ネクタイを正し

ジャケットを羽織る






「も、帰んの?」

「帰るよ。あんまり遅くなったら心配するしね」

「だね。早く帰ってやんなよ(笑)」

「アナタもね」





相変わらずマイペースに、紫煙を吐き出し、


テレビに視線を戻してる








帰り際、ドアを開ける前に、彼の背中に話し掛けた








「今日のアレなんだよ?」

「ん~?」

「“マサキ”って呼んでってヤツ……」





少しの間を開け


俺に振り返ると、
ガキみたいに悪戯な瞳を向けられる





「ふふ、でもヨカッタでしょ?

いつもより感じてたじゃん」

「……んなことねぇよ」






本当に……この人って不思議だな


こんな扱いされたら、
他のヤツなら頭にくんのに


不思議と赦せてる







「そんなオプション、
付けた覚えないからね?

……智くん」







くふふと笑いながら、手を振る彼に見送られ、


ホテルを後にした





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