第4章 ✽+†+✽――✽+†+✽――
【puraimaru 2】
無言のまま、
カズナリ達のいる控え室のドアの前まで辿り着いた
相変わらず綺麗な横顔を見つめ、ぼんやり思う
ねぇ翔くん
女々しいかな?
もしも、誰より先に……
潤くんより先に……
俺と出会ってたら、
未来は変わっていたのかなぁ
「智くん、
ありがとう」
ドアに触れようとした瞬間
そう言った翔くんの笑顔は、
すごく優しくて
少しだけ、胸が痛んだ
この人を、困らすのも、
迷わすのもヤだなって、純粋に思った
それに俺はさ?
人を想う感情を知ってしまったから、
……貪欲になっちゃったからさ
俺が想う以上に想ってくんねぇと、きっと満たされない
だから、
翔くんじゃ、きっと無理だよ
翔くんなんて、
こっちからお断りだよ
勝手に、
幸せになればいい
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