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DIVE TO BLUE 【気象系BL】

第4章 ✽+†+✽――✽+†+✽――


【puraimaru 1】



ショーが終了して、

客や従業員に上手く説明し、納得させたのは、


オーナーの俺ではなく、翔くんだった


ユウさんを知ってる古株は、もちろん息子である翔くんの存在も知っていて


今日の出来事が、
サプライズ的な趣向だったと……





盛り上がったショーに、
文句を言うヤツなんていなかった




カズナリを気に入った客から、予約したいと金を積まれたくらいだ



翔くんとふたり、
落ち着いたホールを後にし

赤絨毯で敷き詰めた廊下を並んで進む






「……ありがとね。

翔くん」

「イヤ…俺は何も」






お互い遠慮がちに言葉を交わして、


不自然な空気の中


何とか言葉にした






「もう……大丈夫だね。

翔くんにはちゃんと、側にいてくれる人がいるから」


「……智くん」







大事に大事に育ててきた潤くん


大切に思うほど、すべてを知られるのが怖くて、


壊れ物みたいに扱って……





だけど……良かったね






過去を知っても、


今日の翔くんを見ても、


潤くんは側を離れようとしなかった




これからは、きちんと前を向いて




ふたりで歩いて行けるね






「智くんは、これから……」





眉の下がった、ちょっと情けない優しい顔


こんな表情、また見ることあんのかな


仕事上のパートナーとして、上手くやってけるかな





今は……ちょっとわかんねぇな








「俺は、とりあえず此処にいるよ。

長くいるとさ、こんな場所でもそれなりに居心地いいんだよね(笑)」







嘘でも、強がりでもなく、ホントにね、そう思うんだ



仕方なく飛び込んだ世界だった



他の世界なんて、未だに知らない




それでも、


こうして、いくつもの出会いがあって……




人生捨てたもんじゃねぇなって……





何より、翔くん


"キミに会えたから"なんて言ったら、


真っ赤な顔して照れるかな……


それとも、驚く?



そんなのらしくねぇからなぁ……



言えねぇな、絶対





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