第4章 ✽+†+✽――✽+†+✽――
【生涯なにがあっても愛するひとへ 3】
肌に散った朱い痕
弓形に身体を反らし、意識を手放した和は
ガクンとその場に崩れた
息を荒立てたまま、
抱き締めたい衝動を抑え、
和をその場に放置し、
お客様のテーブルに近寄ると
ニコリと笑って見せた
「満足……して頂けましたか?」
「……そ、そうだな」
目線の先、男の下半身の膨らみに気付いて
和を気に入って貰えたんだとわかる
「それなら良かった。それでは、
お客様にきちんとお礼させますので」
“いいか、躊躇すんな?
あそこの客は変態ばっかだ”
“金が有り余って、暇潰しに来てんだから、
玩具を雑に扱うだけ満足する”
「少々御待ちを」
テーブルの上に置いたアイスボックスを持ち上げ、
床に転がった和の側に戻ると、無言のまま見下ろした
“絶対やれよ!”
震えそうになる手を堪えて
それを、和の上でひっくり返した
派手に音を立て、氷が散らばり、
冷たい水が、和の身体を濡らす
ビクリと身体を震わせ、
朦朧としながらも、
怯えた瞳で見上げる和に、
言葉に温度を含まないよう、冷たく吐き捨てた
「いつまで寝てんだ。
ほらっ、お客様に挨拶しろ」
横たわる身体を蹴り飛ばすと、
濡れた髪から滴を垂らし
ふらふらと和が起き上がった
お客様の元まで身体を這わせた和は、
従順なペットみたいに、
足下で小さく丸まる
涙と汗
白濁に汚された身体と顔
小動物みたいに怯えた眼差し
欲を煽る儚い表情
「あ…りが…とう…ござい…ました」
お客様に弱々しい笑顔を浮かべ
和は、淫らな身体のままその場に倒れた
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