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DIVE TO BLUE 【気象系BL】

第4章 ✽+†+✽――✽+†+✽――


【RIGHT BACK TO YOU 1】





頬に伝う涙が……



俺の胸に落ちる




感情が、……声にならない




お互いに視線を逸らさないまま、何を思っているのか







どうして…?


頬に触れた指先が震える






こんな俺を、
誰が愛してくれる?



走馬灯のように駆け巡る、彼との記憶



いつも控えめで


黙って話を聞いてくれて


特別な事なんて言って貰った事ないけど


ただ側にいるだけで、安心出来た




この感情を言葉にするなら、


“好き”……?


だけど……そんな言葉じゃきっと足りない


それくらい、大事な人




雅紀への想いや、成長した潤に、すべてを知られるんじゃないかって恐怖


それに押し潰されず、自分を保てたのは……





間違いなく、彼がいたからで……







「ごめ…っ、

さと、し…く…」






ホントはどっかで、
お互いに気付いていたのかも知れない



だけど……



その感情が儚くて、

俺らには幻想みたいなもんだったから、




踏み出すのが、怖かったんだよね




終わりが来ないよう、
永遠に、曖昧なままでいたかったんだ









身体を浮かせ、


懇願した





「智くん、


も、やめよ」







罰なんかじゃない


智くんは、自分だけ悪者になって……


俺が潤と向き合えるよう、切り離そうとしてくれたんだ






違う?




俺の、エゴかな







はらはらと涙を流すままの智くんを






思いきり抱き締めた








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