• テキストサイズ

DIVE TO BLUE 【気象系BL】

第4章 ✽+†+✽――✽+†+✽――


【Be with you 3】




.





「あの…、やっぱり

無理ですか……」

「お、これもうめぇ…」

「……」

「おかわりしていい?」

「あ、うん」






困ったような、情けない顔


見た目も頭も良いのに…、

なんっか、残念っつか……





「食べないの?」

「……ん」

「ほら、食べなよ」




箸で摘まんだ揚げ物を、

口元に持ってくと、あからさまに顔を赤くした





「だ、大丈夫だよっ

自分で食べれるからっ」


「そ?(笑)

俺がこーしてやると、
みんな喜んでくれるけど?」




からかうように笑って、


行き場のなくなったソレを自ら頬張った





「ねぇ?

俺があの店貰わなきゃさ、なんかマズイことでもあんの?」



モグモグ咀嚼しながら、
それをビールで流し込む





「まずい…ってワケじゃないけど。

それが父さんの意思なら、叶えたいって思うから」


「…うん?」

「……何にも、俺は……」





こんな顔、初めてだった



瞳の奥に潜む闇


陰りある表情は、
いつもの優等生とは程遠い




「……出来なかったから。

父さんになんにも……」






なんだろうね


同情…?違う


ただ単に、興味が沸いただけかも知んない




気付いたら、


そう口にしてた





「……いいよ」





こんな完璧に見えるお坊っちゃんが


俺と同じだって、一瞬感じたから


確認してみたかったんだよね






.
/ 168ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp