第4章 ✽+†+✽――✽+†+✽――
【Be with you】
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端正な顔立ちや立ち振舞いは、
父親譲りだなって、
初めて食事をしながら思った
普段入ったことがないような、高そうな店
いくら個室でも、ちっとも落ち着けなくて、勧められるままに飲み続けた
「店の経営を、全てあなたにお願いしたいんです」
「は……?
ってか、君…ユウさんの息子さんなんでしょ?
どうして俺?」
「父の遺言なんで。
それに僕はまだ、学生ですから」
「え…?あ、そう、なの?」
どうりでスゲェ若いと思った
聞けば、高校卒業したとこらしい
「父が…あなたに手紙を残してたはずなんですけど」
確かに覚えはある
クビにされたと思って受け取った封筒
それには、
桁違いの小切手と、店を託したいって内容の手紙が入っていた
本気になんかしてなかったけど……
あの日
アイツらは店を飛び出したまま、帰って来ることはなかったし
ユウさんが自殺したって聞いたのも、同じ日だった
詳しい理由も、
繋がりがあるかも、
俺にはわからないけど
関係ない話だと思った
「俺、経営とかって、よくわかんねぇし、
正直興味もないんだよね」
そう言って、飲みかけの酒を一気に流し込んで立ち上がった
「ごちそーさん。
じゃ、そーゆーことで、俺帰るわ」
ぷらぷらと手を振って、
呼び止める声も無視したまま、背中を向けた
それで、この話は終わったもんだと思ってたのに……
彼は毎日、
俺の元にやって来た
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