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DIVE TO BLUE 【気象系BL】

第1章 ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚


【綺麗な男】








ヤツの、ミキに触れた手首を捻り上げ、
勢い良くソファーに突き飛ばした


自慢のブランドスーツに、倒れたグラスの液体が零れると……


みるみる変わる男の形相に、思い切り鼻で笑ってやった





「お前!このアルマーニいくらするか分かってんのか!」





怒り露わに染みを見せ付けてくるけど、


そんなの知るか


立ち上がった男のスーツの襟元を掴み、睨み付ける


すると、


ヤツも俺のシャツを乱暴に掴んだ






「……チッ」


俺のだってな?


古着屋で一目惚れした、超気に入ってるヤツなんだよ





必死に落ち着かせようと

ミキが涙声で俺を呼んでる





さすがに、やり過ぎだなって


気が緩んだ瞬間


ヤツが俺の頬に拳を入れた







「……ってぇ」





勢い良く身体は床に転がされて……


その場が一瞬静まり返る







一度、頭に血が登ると、抑えが効かなくて……


ヤツに飛び交ってからは、何も覚えていない








殴られた頬の痛みと


殴った拳がジンジンと疼く







その場にいた誰かに、
後ろから羽交い締めにされ、取り押さえられると……


そのまま店の奥に連れてかれた







ヤベェ


俺、とんでもないコトやらかしたんじゃないかって


狭い通路に進む度、


興奮状態だった頭が、


急速に覚めてく









事務所らしき部屋のソファーに促され


さすがに抵抗するワケにも行かず


黒服のイカツイ男の視線に、大人しく従った






俺……警察に突き出されんのかな


それとも、
ドラマなんかみたいに


ヤバい人達にボコボコにされる……とか?


イヤイヤイヤ、ないだろ?


……ってか、ミキは?


無事か?


高校生ってバレたりしたら……






あーって、頭を抱え込んだ俺の前に


事務所のドアが開いて


男の人が入って来た








思わず姿勢を正したけど……


予想に反して現れたのは、


"イカツイ"とは程遠い、






黒髪で華奢な、

綺麗な男だった





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