第1章 〜プロローグ〜
第三者目線
「左から落ちたんですね。打撲は多いけど下手に力が入ってないから、打撲で済んでます。熱は今出て来てる。けど、1週間もすれば落ち着くでしょう。
これだけで済んでるのが不思議なくらいですよ。」
「そうか………。」
政宗は少し胸を撫で下ろす。
「……けど、それとは別に後1ヶ所確認します。政宗さん。脚を抑えててくれますか。」
家康はなおの脚の間に入ると、膝を立て脚を大きく開く。
「おまっ。何する気だ。」
「いいから、持って下さい。……政宗さんじゃないんだから、犯したりしませんよ。」
「そんな言い方ねぇだろー。」
「とにかく、確認したいだけだし…。治療の必要性もありますから」
「……わかったよ」
政宗は意味が分からなかったが、とりあえず《治療》との言葉に手を貸すことにした。
なおの脚が固定されると、家康は蜜壺へと顔を寄せる。
「……やっぱり」
「何なんだよ!」
「この酷さなら、政宗さんにも分かりますよ…」
家康はなおの脚を抑え、政宗と場所を代わる。
「なっ。……これはっ………」
なおの蜜壺の入り口には無数の内出血が見て取れる。
「多分、ここがこの状態だと……中はもっと傷ついてます。意識ない内に治さないと……。信長様のお気に入りなんでしょう。」
政宗はその言葉を聞きながら、そっとその場を離れ準備していた上掛けを掛ける。
「とりあえず、薬を調合しないと足りないから……。桶の水を変えて来てもらえますか?身体も冷やさないと、熱が上がってきてます。」
家康は薬を調合し始めた。
政宗は何とも言えない感情を抑えながら、短く返事をして水を変えるために外へと出た。