第1章 〜プロローグ〜
第三者目線
ドタドタと駆けてくる音に
「秀吉か?入れ」
信長は声をかける。
いつもとは違い雑に襖をあけ放ち、すぐに座り込む。
「戦でも始まるか?」
少し口の端を上げ、からかう様に問いかける。
秀吉は頭を下げたまま
「申し訳ございません。……あの女子が落馬しました。詳しくは、後ほど政宗と共にご報告に上がります。」
一気にまくし立てる。
「分かった。下がれ。俺も後ほど様子を見にいく。」
「はっ!」
秀吉は、すぐに立ち上がると一礼をし、来た時と同じ様にバタバタと駆けていく。
「そこまで、俺を拒絶するとは……やはり手放せんな」
静かになった部屋で独りごちた。