第1章 大好きでした。
「なんだよ。中島のとこ行けよ。」
冷たくなる口調
だって君に呼ばれる度に俺の心が動いてしまうから
「健人が、健人が風磨のとこ行ってこいって。」
は?意味わかんない
「風磨ありがとう」
君からのお礼
何をした?俺は。
「何が?」
「あたしのわがままに付き合ってくれたこと。そして、これ。」
見覚えのある一枚の封筒
「俺じゃねーよ」
「嘘吐き。」
なんて投げ掛けられる言葉
「は?」
「風磨は頑張れよっていつもあたしの背中を押してくれるの。そんな風磨は自分の気持ちを押し殺してまであたしの背中を押してくれた。ありがとう。ツラい思いさせてごめんね」
違うんだ。そんなんじゃない
俺の自己満で
心では上手く行ってほしいなんて思ってない
俺のところに戻ってきてって
ずっとずっと…………
再び溢れる涙
「風磨ごめんなさいっ」
と涙を流す聖奈
違うよ
君が悪いんじゃないんだ
「もう会いにくるなよ。」
君を泣かせないために
君が泣かないために
君が幸せになるために
俺は君と他人になる決意をした
さよなら聖奈
さよなら俺の人生最大の恋
大好きでした
End