第12章 スタマイ小話
※付き合ってない&互いに気になる存在設定です!
桧山「お嬢さん、俺と一緒にポッキーゲームをやってくれないか?」
怜「…………は?」
桧山さんの応接室でお茶を貰っていた時、唐突に桧山さんから放たれた言葉に私は間抜けな声を出してしまった。
怜「今、ポッキーゲームって言いました?」
桧山「ああ、そうだ」
桧山さんの真面目な顔に私は自分の聞き間違いでないことを確認した。桧山さんの言動には時々驚かされるが、今回のはどうつっこんでいいのか分からない…
怜「念のため聞きますが…ルールとか分かってますか?」
桧山「それなら羽鳥から教えて貰ったから大丈夫だ、互いがポッキーを加えてどちらが早く食べられるかというゲームだろう?」
怜(…間違ってないけど大事なこと言ってないです羽鳥さん!!)
桧山「俺はポッキーというこんなに美味しいものを最近まで知らなかったのだが、羽鳥がもっと楽しく食べれる方法をと言って教えてくれたのだ」
桧山さんの顔には興味津々の笑顔が映っていた。私は目の前に居る純粋な桧山さんを傷つけることが出来るわけもなく、そのままポッキーゲームをやることになった。
※※※
桧山「では、いくぞ」
怜「は、はい………」
私が先にポッキーをくわえて、端正な顔立ちの桧山さんがぐいっと近づく。その整った唇が反対側を加えると、私の顔は沸騰してるくらいに熱を上げた。
怜(え、な、何これ…ただポッキー加えてるだけなのに…まるで…き)
桧山「ひゃへるぞ(食べるぞ)」
加えたまま喋ったので桧山さんはもごもごと口を動かした。そんな姿も可愛い、なんて思っていたら、サクサクと桧山さんが夢中になって食べ進めていく。
怜「んむっ」
怜(ちょ!まてまてまて!!これは不味いから…!!だってこのままいったら…って桧山さんはなんで子供みたいにポッキーに夢中なの?!)
私が焦っているうちにも桧山さんはどんどん近づいてくる。直視しなくてもその距離は明らかに見えている。0距離まであと10cm、7cm、5cm……