第2章 マトリちゃんと雨と傘
泉「ただ今戻りました!」
由井「泉!無事か!」
関「遅かったから心配した、大丈夫か」
ドアを開けた瞬間、血相をかえて2人の保護者が飛んできた。
泉「だ、大丈夫ですってば…ちゃんと書類も届けてきました」
色々あって時間もかかったし、この2人には特に心配をかけてしまった。色々あった事は正直言うつもりはない、またお節介を焼いたと言われるのが少し怖かったから。
今大路「雨で大分濡れてしまいましたね、大丈夫でしたか?」
すると今大路さんが私の濡れた服を見て言った。
青山「え、今日雨なのか?」
夏目「天気予報で今日は曇りのち雨でしたからね」
由井「それにしても少し遅かったな、何かあったのか?」
泉「いえ、人混みが多かったのでそれで少し…あ、着替えてきますね」
私はバックを置いて着替えてこようと部屋を出ようとすると、
夏目「それはそうと、怜ちゃん折りたたみ傘持ってってたのに、なんでそんな濡れてるの?」
泉「え?」
夏目「あれ、俺の見間違い?出る時入れたよね?」
まさか夏目くんが傘を入れるところを見てたとは。1番知られたくないのに…私は適当に誤魔化した。
泉「何かポーチと見間違えたんじゃない?じゃ、着替えてくるね」
夏目「…」
由井「泉、拭き終わったタオルは俺に…」
今大路「由井さん、そろそろ関さんから制裁入りますよ」
私は苦笑いして由井さんに渡しませんよ、と一言言って部屋を出た。