第6章 今大路さんとぬいぐるみ※裏注意
怜「ひゃぁーーー、カッコイイ土方さんーー!!」
峻「おいうるせー」
ゲームセンターから帰ってきて、今は峻さんのマンションにいた。私は銀魂の土方十四郎というキャラクターのぬいぐるみをぎゅーと抱きしめて至福の時間を過ごしていた。深緑の髪の毛に鋭い目、口に加えた煙草…細かい所まで再現されていて私は少し感動した。
峻「ちっ、たかがぬいぐるみに何興奮してんだ」
峻さんは相変わらず不機嫌そうにグイッとビールを飲んだ。
怜「たかがぬいぐるみで1000円使ってくれた峻さんがそれ言いますか?」
峻「ちっ」
私が意地悪な目で言い返したら、峻さんは軽く舌打ちをした。
そう、峻さんは嫌々ついてきたのに、私が土方さんの為に何度もガラスと睨めっこを続けていると、隣から俺がやると言い出したのだ。
確かに自分はそこまで上手くは無かったのだが、まさか峻さんが1000円を崩して取ってくれるとは思わなかった。そして1000円もかけた峻さんはほら、とぶっきらぼうに私にくれた。
怜「でも、頑張ってる峻さんが横で見れて良かったです!」
峻「は、なんだそれ」
怜「私の為に、ありがとうございます!」
やっぱり峻さんはフン、と鼻で返すだけだけど、私は耳がほんのり赤くなっているのが分かっていた。
怜「それにしてもほんとかっこいい…ああ…もふもふだ~」
26歳の大人が何をやっているのか、と突っ込まれても仕方ないのだが、この土方さんのぬいぐるみを目の前にしてはそんな恥も消え失せる。
峻さんはそんな私の様子を面倒くさそうに見ていた。
私は自分の好きな土方さんだからというのもあるが、何より峻さんが取ってくれたものなので片時も離さなかった。
夜ご飯の時も隣に置いて、移動する時も基本腕に抱いて、お風呂は流石に無理だったので脱衣場に置いて、勿論寝る時もと思っていた。
そんな私の行動を見て峻さんの黒オーラが増していることに気づかずに…。