第1章 食後のデザート【ミホーク】
"拗ねる"という言葉を使えばこれ以上に機嫌を損ねると思い、"怒る"という表現を使う。
後ろから抱き締めた状態のまま、そろりと帽子に隠れる彼の顔を覗き込む・・・
はチュッと軽いリップ音を響かせて、頬に口づける。
『ご機嫌は…いかが?』
「…足りん」
眉を下げ微笑む彼女に、先程まで拗ねていたミホークはどこへやら…
ワイングラスを机に置くと、の腕を引き自分の膝の上に降ろし包み込んだ。
再度リップ音を響かせ、今度はミホークがの口元へと口づけた。
『…足りない』
鋭い金色の瞳を見上げながら、頬へと手を伸ばしミホークの唇の形を指でなぞる。
「こんな時間から主は俺を煽るのか…?」
綺麗な金色がさらに鋭さを増す。
『ふふ…イヤだった?』
他の人間はミホークの鋭い目を見ると恐怖するだろうが、今の彼の瞳は愛しい者を見つめる目だとは知っている。
「誰が嫌だと言った。」
フッと笑ったかと思うと、はいつの間にかソファを背にミホークを見上げていた。
『愛してるわ…ミホーク』
「俺もだ…。主は俺の事だけ考えていればいい…」
自分にだけ向けられる優しい目…
自分だけが知る、彼の表情…
優しく降り注ぐ口づけを、はそっと目を閉じ体中に感じた。
「食後のデザートも悪くない……」
ミホークは、隣で寝息を立てる愛しい彼女の頬に
そっと口づけた・・・