第24章 ep24 呼応
及川はふっと微笑み、りこからボールペンを取り、その横に、
"りこも"
そう書いた。
りこは嬉しそうに笑って、遠慮するように僅かに首を振った。
"それと、昨日はごめん"
勇気を振り絞って書いた。
りこの動きが一瞬止まったが、今度は及川を見て、大きく首を振った。
"大丈夫だよ、びっくりしたけど"
そうボールペンで書いてくれた彼女に、及川の中で、何かが弾けた。
もう、今 言うしかない。
今だ。そう思った。
及川は何かを殴り書き、そしてそれをりこに見せた。
「え・・・?」
小さく、りこが声を漏らす。
そしてすぐに左手に感じる、温もり。
誰にも見られないように2人の間で繋いだ手・・・
りこは心臓が飛び跳ねた。
ノートに書かれた言葉にも、及川の手や、射抜くような瞳にも・・・・・・・・・
"今日、荷物置いたら、俺の家に来て"
もう、止められない
そう思った。
及川はりこの耳元に唇を寄せて囁くように言った。
「今日、りこを全部ほしい」
ーーー・・・