• テキストサイズ

Story〜君の隣で同じ景色を見る〜

第3章 ep3 遭遇






「岩ちゃん」



次の日の練習後、自主練も終わり、体育館の隅でシューズの紐を解いている岩泉に、ドリンクボトルを片手に持った及川が声をかけた。



「ん?」

「今日もりこに話しかけたら素っ気なくされた〜!」



泣きつくように岩泉のTシャツの袖を掴む。


「またあいつの話かよ」


やれやれとでも言うように岩泉は肩を竦めた。



「ぐずん・・・・・・だって、今朝おはようって挨拶しに教室行ったら、俺の顔見た途端出ていったり、帰りも俺が門まで送ろうか?って言っても断られたし」

「いや、それはりこじゃなくても同じ反応するだろ。なんだよ門まで送るって」


「うっそ、そんなこと言わないでよ!」



ガビンッと言う効果音が聞こえてきそうな声色で話す及川。




(まぁ、及川がりこに絡みに行きたいって事はわかるが・・・)




「及川、残念な知らせだが言う。あいつ、クラスの他の男子には普通に話してるぞ、勿論女子にも」

「岩ちゃんには?」

「俺も、何故か及川と同じ扱いを受けてる。素っ気ねぇぞ」

「マジで?!俺にだけじゃないのか!でも、なんで昔馴染みの俺達の事・・・」




あんなに避けているんだろうか・・・




「俺にも分かんねぇよ。ただ、避けられてる以上こっちから無闇に絡みに行っても、逆効果だとは思うがな」


「うっ・・・」


「なるべく、あいつに不用意に声かけに行かない方がいいんじゃねぇのか?」







岩泉の言うことは頭では理解できるが・・・



「・・・わかった」



逃げられれば逃げられるほど、


(その背中を追いたくなるんだよね・・・・・・)



もう一度あの瞳に、自分を映してほしいと・・・・・・







/ 146ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp