第17章 ep17 空虚
バレーの練習がしんどいと思うことなんてしょっちゅうあった。
他の生徒は、髪の毛を伸ばし、放課後になればバイトや、カフェや、カラオケや映画に行くのに、どうして私たちは髪を短髪にして、お洒落も我慢して、苦しい思いをしながら体育館へ向かっているのか・・・
でも中学での全国優勝が、そのしんどさを超える歓びがあることを教えてくれた。
その歓びの瞬間のために、何100時間も努力してきたんだと、分かった。
だけど高校で、その努力の大切さを分かっているのに、ちょっと上手くいかないことがあり、それを怠ってしまい、
そこから私が自分で築き上げたものは崩れて、
今じゃ何もかも消え去った。
チームメイトも、バレーも、もう何も無い。
何も無くなってから、事の大切さに気づいた。
分かっていたはずなのに、いつの間にか忘れてしまっていたこと・・・
今になればわかる、感情が溢れ出てくる。
"バレーがしたい・・・"
夢を追いかける楽しさ、
夢のために今は我慢する厳しさ、
報われた時の喜びを、感じたいと
今更思うなんて・・・
おかしいよね・・・
もう、戻れないのにーーー・・・