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Story〜君の隣で同じ景色を見る〜

第16章 ep16 堕落





あれから2度、検査をしたが全て陽性。

認めざるをえなかった。



このお腹には、命が宿っている・・・




今目の前にいる、彼との子供・・・





だけど・・・






「で、なに?それ、俺の子とかじゃないやろ?」


「え・・・?」


「だって俺ちゃんと避妊してたし、絶対違う」




何を 言っているのか分からなかった。



冷たい視線が、私のことを睨むように刺す。




こんな、こんな冷たい目をするのは初めてだった・・・






「え・・・・・・違わないよ、だって私・・・」




あなたとしかしてない、そう続けようとしたけれど・・・



「いやいや、おかしいから。なんで俺の子ってわかんねん。勘弁して、無理無理」



頑固として、認知してくれなかった。




事実を、私を、この子を全てを拒否するように首を振る。




終いには、嘲笑うようにして私に告げた。








「高2で妊娠とか、大変やな。俺、面倒みきられへんし、悪いけどここまでやわ」














頭が真っ白になった。





今まで、誰よりも愛した人が、手のひら返したように冷たい人になった。



「え、待ってよ・・・なんで・・・っ」



涙が視界をぼやけさせる。




なんでここまで、なの?


私を守ってはくれないの?

抱きしめてくれないの?



嘘だと言ってよ・・・






「なんでとちゃうわ。俺まだまだ遊びたいし、いきなり子供出来てあんた父親ですとか、そんな話ないわ」







結婚したいと、言っていたのは彼なのに・・・





「でも、現実に・・・」


「あーもうええてええて!俺、最近気になる子できてん。大変なん分かるけど、俺も、俺の人生あるからな、好きならわかってや」





彼はそう言って、踵を返した。




「待って!お願い!!」



泣きながら叫んだけれど、

最後に彼は振り向き、



「それは俺の子やない」



そう釘を指すように告げて去っていった・・・






1人置いていかれた私の背に、ポツリと雨が降る。

雨は次第に酷くなり、



まるで私を責めるように容赦なく降り続いた。





「あああぁぁぁぁぁああ!!!!」




悲痛な叫びすら、雨にかき消されて・・・・・・ーーー
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