第15章 ep15 過去
周りには気づかれていないと思っていたが、監督には見透かされていたのだと思う。
夏のインターハイが終わって暫くすると、監督は私をレギュラーから外した。理由は言ってくれなかった。
でも、代わりに入った後輩は一生懸命やる子で、周りもその子を成長させようと必死になっていて、私のことは二の次だった。
外された私も、今別に外されてもいいや、なんて思うようになった。何故なら脳裏には彼がいて、彼に会いたいから練習早く終われ、なんて事も考えていた・・・
彼も、外された事に対して、
"じゃあもう辞めちゃえば?辞めたら俺ら結婚できるな!"なんて冗談っぽく言った。
初めて会ったときは、私のプレーをみて釘付けになったなんて言ってくれていたが・・・
そんな最低な私に、神様は最悪の出来事を用意して、気づかせてくれたんだと思う。
秋の10月の国民体育大会で、私は初めて公式戦をアップゾーンから見ることとなった。
いつもならコートに立ってみんなと戦っているのに、なんで応援なんだろう・・・まぁいいけど、
と、その時はそんな事を思っていたんだろう。
その時ーーー・・・
「いたっ・・・・・・・・・」
下腹部に、痛みが走った。
立っていられないくらいの痛み。
その時私は、はっと我に返った。
そして、血の気が一気に引いていくのを、全身で感じた。
(生理・・・・・・いつ来たっけ・・・・・・?)
その時の試合がどうなったかなんて、もう覚えてなくて、
あのチームのユニホームを着るのが、
あの試合が最後だなんて、私は知る由もなかった・・・ーーー