第2章 ep2 疑問
りこは、及川と岩泉が加わっていたジュニアチームの隣でいつも練習していた。
140cm代の子達が集まる中で、彼女は1人だけ身長が高く、その当時は及川よりも高かった記憶がある。
その細身から繰り出されるスパイクは、鋭く、相手がどんなチームであっても容赦しなかった。あの当時はあまり意識していなかったけれど、振り返ると器用な選手だったと思う。みんな、りこのプレーに釘付けだった。
しかし、及川はその当時からもう一つ目が離せないものがあった。
1点1点、決める度に零れる笑顔。
どんな強烈なスパイクを打っても、その笑顔を見る度に彼女は本当にバレーが好きだと思わされる。