第11章 ep11 繋心
花火が打ち上がる。
色とりどりの、美しい花火。
人々は空を見上げている。
誰も、二つの影が重なったことなど気にもとめていない。
及川はゆっくりと体を離し、満足そうに笑う。
そして、
「・・・まだだよ・・・」
右手でりこの頬を撫で、ゆっくりと顔を近づける。
壊れ物を扱うかのように、丁寧に、
優しく、唇を重ねた・・・・・・
夢を叶える場所、というのはあながち間違っていないのかもしれない
やっと見つけた、
この、存在を
(俺はこの子を探してた・・・)
「花火、綺麗だね・・・」
2人で見上げた景色を、
この美しい夜空を、
きっと忘れないだろう・・・ーーー