第8章 ep8 勉強
朝は自主的に朝練、昼はりことご飯も食べて(岩ちゃんもいるけど)、授業が終われば部活、ただテスト期間だからいつもよりは早く終わって、そこからまた3人で勉強・・・
駆け足で日々が流れた。
りこも、問題を解くスピードが上がり、正解率も良くなった。
難問(実はそんなに難しくない)に取り組む苦悩する顔や及川が採点する時の真剣な顔、点数を見た時の歓喜な表情、コロコロと変わる表情を、及川は隣で見つめる。
「大分、手応えあるんじゃない?」
「うーん、まだ朝起きたら方程式ごっそり忘れちゃったりするけどね。最近は徹夜は止めて、朝起きてから勉強してるよ!」
何事にも手を抜かない姿勢に及川は関心する。
「そっか、りこは真面目だね、ほんと。・・・岩ちゃんも、見習って欲しいな」
ちらりと、幼馴染みを見ると、座椅子に持たれ腕を組み、盛大にイビキをかいて、寝ている岩泉の姿があった。
「ふふ・・・テストなんかくそ喰らえ!って毎日言ってるよね」
ノートを口元にあて、笑いをこらえるりこ。
「ほんとだよ。りこみたいにもっとやる気出しなよね、い、わ、ちゃ、んっ」
ピンっと岩泉の額を指で弾くと、彼はぐぉっ!と呻いて座椅子ごと後ろに倒れる。
「あはは!岩ちゃん、最高!」
「は、一ちゃん、大丈夫?」
目が覚めた岩泉が、及川に掴みかかったのは、言うまでもない・・・ーーー
キーンコーンカーンコーン・・・・・・
あれからまた数日・・・
無事にテストも終わり、及川は練習に行くため体育館に向かっていた。
「あ、まっきー!」
「おす、及川」
チームメイトの花巻の姿を見つけ、声をかける。
「テストどうだったよ?」
「んー、勿論、手応えバッチしかな!俺より岩ちゃんやりこの出来の方が気が気でなかったよ」
先程まであったテストの話をしながら、昇降口へ向かう。
すると、
「あ、及川くんっ」
「ん?りこ?」
後ろからかけられた声に振り向くと、丁度見知った少女が駆けてきた。