第7章 ep7 嫉妬
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4時間目が終わるチャイムと同時に生徒達は食堂へ行ったり、机を合わせてその上でお弁当を広げ始める。
机に伏せっている及川も、空腹感はあるが最近の様に隣のクラスへお昼に行くことは無かった。
(腹減った。食べなきゃな・・・)
そう思い気だるそうに体を起こしたその時、
「おい、ショボ川、いるか?」
珍しく、隣のクラスの岩泉がやって来た。
「なに岩ちゃん、その新しい呼び名。不愉快極まりないんだけど」
「いつまでもしょぼくれてっからだろ。ほら、早く行くぞ」
「行くってどこに?」
「俺のクラスに決まってんだろ。弁当持ってこい」
「えー、岩ちゃんがどうしてもって言うなら・・・いったい!はい分かりましたよ、もうっ」
岩泉に耳を引っ張られ、渋々及川は腰を上げた。
「今日はセンチメンタルに1人で食べようと思ってたのにさー」
「お前がこれから一緒に食べるやつを見てもそんな風に思えんのか?」
「??」
言葉の意味が理解できないまま、岩泉の教室に入ると、窓際の席に・・・
「え・・・?」
見間違いか?いやいや、そんな訳ない、見間違うわけない、だが理解が出来ないまま、及川は立ち尽くした。
「待たせたな、りこ」
「もうお腹ペコペコ、早く食べよう?」
りこの姿があった。
(なん、で・・・?)
「ほら、及川早く来いって。お前の分の弁当食っちまうぞ」
岩泉が手招きし、恐る恐る及川は2人に近寄って行く。
昨日拒絶された事が脳裏に浮かび、恐る恐るりこを見ると、大きな瞳とバッチリ目が合ってしまった。
「あ・・・・・・」
「あ、えと・・・・・・早く、食べよ?」
上目遣いで少し照れたようにりこは言った。
心臓がうるさく鳴る。
「う、うん・・・そうだね・・・」
3人でそれぞれの弁当を食べ始める。
昔3人で行った祭りのかき氷もこうして食べたのを思い出す。
昨日あんな風に拒絶されたのに、事態が全く把握出来ていないが、
あんなに傍にいたかったりこがいることが、
彼女と居れるこの空間が、
とても幸せだと感じた・・・ーーー