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【イケメン王宮】氷の魔法にかけられて

第5章 *君が笑わない世界*




────コンコン


「ルイだけど…ジル、いる?」


「ええ、どうぞ入ってください」


ジルに促され、執務室の扉を開けると、そこにはジルとあと一人……俺がここに来た目的となる人物がいた。


「……シド」


「あぁ?なんだよ、今まで俺が話しかけても無視だったのにお前から話しかけてくるなんて、俺と仲良くする気にでもなったか?」


シドはいつものようにいちいち癪に障る事を言って口角の右端を吊り上げた。


(本当はこんな奴に頼みたくないけど…これしかない)


「違う。お前と仲良くする気なんかない。仕事の依頼だ」


「へぇ…大好きなプリンセスに関係することか?」


「……っ、そうだ」


「なら場所変えるか。丁度ジルとの話も終わったからな」


依頼の話人前ではしない。シドは情報屋として信頼出来る人物だ。


「あぁ」


「じゃあな、ジル」


「えぇ。シド、言っても聞かないと分かってはいますがルイ様への言葉遣いには気を付けてください」


「わあってるよ」


「ルイ様もですよ」


「ごめん…」


「じゃ、俺も暇なわけじゃないんでな。行くぞ」


*○.:+**○.:+**○.:+**○.:+**○.:+**○


「で、依頼の件だけど」


人気のない庭園に着き、シドに話を切り出す。


「先に言っておくが報酬はしっかり頂くからな」


「分かってる……」


本当にこいつは報酬の事しか頭にないのではないか。


「で、なんについて調べればいい?」


「リアム王子についてだ」


「プリンセスを誘拐してこの間死んだやつか?」


「そうだ」


「あいつはもう死んでんだろ。なんでいないやつの事を調べる必要がある」


「詳しくは言えない…けど、ユイがあいつに脅されている可能性がある」


「そうかよ、依頼してくるのにそこは言えないんだな」


「あぁ。出来るだけ早く頼む。その分の報酬は払う」


「言ったな?」


「俺は約束は破らない」


すると、シドは再びニヤリと笑い言った。




「だったら今、教えてやるよ」







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