第23章 水色の思い出 (逆ハー)
「あまりを苛めるな」
の背後から呆れたように言うのはバージルだ。トリッシュは唇を尖らせた。
「あらあ。それじゃ何を楽しみにしたらいいのよ」
「その考え方自体間違っていると言っているのだ」
「そんな事言っていいのかしら。いい情報あるのに」
「ねー。バージル知りたい?」
「興味無い。どうせろくなものでもないだろう」
「分からないわよ。貴方が一番知りたい情報かもね?」
不意にレディがにっこりと笑い、トリッシュと二人で渋るバージルを離す。
何となく気後れしてがそこに留まると、三人はひそひそ話を始めた。
「なんだろ」
今まで嫌々だったくせに、話を聞くバージルの顔が次第にひどく真剣になる。大切な事なのだろうか。
「っ!」
「ふわ!」
突然後ろから体重がかかり抱きつかれるように首に腕を回されて、は前のめりになった。
自分の背中と相手の胸と、濡れた肌が密着して熱を伝える。少し顔を巡らせると、はしゃいだように笑顔を浮かべるダンテがいた。