第18章 支える手
いつもそうだ。
いつもそうだ。
いつもそうだ!
バージルばっかり冷静で、バージルばっかり何でもできて、私は何もできない。
家事のほとんどはバージルの方が上手い。その上博識で知らない事なんかないみたいで、分からない事を聞いてる自分が時々情けなくなる。
私のいる意味って何?
いつもバージルに迷惑ばかりかけて何でもやって貰って、もしかしてこれってお荷物ってやつですか?
一緒にいる以上心配も迷惑も極力かけたくないと思うのは当たり前。相手の負担にはなりたくないのに。だけどこれじゃあ全然駄目だ。
まさか、一緒にいるだけでいいなんて言わないよね?
私そんなお飾りは絶対嫌よ。
ある日、初めてクリームチーズケーキを作った。
料理はまあまあ出来るけど(それでもバージルより美味しくは作れない)、お菓子作りは滅多にやらない私。
たまには女の子らしい事でもしてみようかと思って、ケーキの本とにらめっこしながら作った。
そうしたら、案の定というか何というか失敗しまして。
何をどう間違えたのかクリームチーズがやたら硬く、下に敷いたビスケットはボロボロ。更に熱い鉄板を素手で触ってしまい火傷までする始末。
しかもそれをバージルに見られたから最悪だ。
けなされたわけではないけれど、バージルはチーズケーキなんてパティシエみたいに上手に作れるんだろうなと思ったら、恥ずかしくて死にたくなった。