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【DMC】バージル夢短編集

第9章 嫉妬している、と言えばいいのか



「何だろうな。嫉妬している、と言えばいいのか」

「……は?」

考えながら発したような声。
思いがけない言葉が返ってきて、まじまじと見つめてしまった。
視線が合う。

「他の男と話をしている所を見たくない」

「え」

「だからこれからはずっとレジにいろ。客が男の時は他の奴と変われ」

「ちょ」

あんまりはっきり言うので上手く反応ができない。バージルはその様子を見て少しおかしそうにした。
いやいや誰のせいだと思ってるんですか。

「待っ…見たくないなら来なきゃいいんじゃ…」

「が他の男と話しているのかと考えるといてもたってもいられない」

「何それ…」

何て自分勝手。わけがわからないこの俺様思考は。
困惑していると、バージルは思いついたように。


「あぁ、仕事の邪魔をしたな。もういいぞ」

「いいぞって…まぁ戻らせて頂きますけども」

「いや、ちょっと待て」

「今度はなに…」

何だか納得いかない。帰ったらじっくり話してやろう。
そう思いながら向きを変えたが再び振り返ると。
バージルは、先程男に触れた方の彼女の手をつかみ。

「消毒しなければ」

そう言いながら真剣な顔をして、先程男に触れたの指をぺろりと舐めた。

呆然。固まる。ひやりと冷える手。満足そうなバージル。
バッと手を離す。

「なっ…頭おかしいんじゃないの!」

「言っただろう。嫉妬していると」

「そんな冷静な嫉妬は見た事ありません!」

「そうか?」

もうこれ以上いられない! と思い、バージルの背中をべちんと叩いてその場を去る。
嫉妬しているバージルより私の方が慌ててるなんて何かおかしい。

同僚に不思議な顔をされたが黙っておいた。言えるはずもない。
思わず背中叩いてしまったのを思い出しけバージルを見ると、に叩かれた背中をさすっていた。


全く、バージルは子供なんだか大人なんだかわからない!




2007/07/23
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