第40章 開始のチャイム (学園パロ逆ハー)
見るからにわかるバージルの敵対心と嫌悪感。真面目で中途半端が大嫌いな彼は大雑把で適当なダンテを嫌っていた。
「なぜって用事があるからに決まってんだろ」
「何のだ」
「姫を狼から守る使命」
「くだらん。失せろ」
「やだね!そしたら二人だけになるじゃん」
そんな事ないんじゃ、と思い見回してみると、授業間近の職員室は先生が次々いなくなっていた。
は一人動揺する。ファンクラブもある程の先生二人に挟まれようとは思ってもいなかった。
ファンクラブの子なら失神しかねないシチュエーション。でさえ、二人のあまりの存在感に目眩がする。
「さっさとプリント渡してやれよ。も授業なんだぞ!」
「貴様も授業だろうが。のクラスは次の授業も俺だ。問題ない」
「二人っきりになった上一緒に教室まで行く気かよ!ダンテ先生は体調を崩しましたに保健室まで連れてって貰おうと思います!」
「屑が。、構うな。離れろ」
そう言ってバージルはと視線を合わせた。こちらに来い、という雰囲気だが、としては今この状態だけで精一杯。これ以上近付くなんて言語道断。
というか本題のプリントはどこへ行ったのだろう。これがプリントの前置きなら随分と長い前置きだ。
それにダンテの用事はどこに。
滅多にない幸運すぎるこの状況だが、幸運すぎて現実味もなければ幸福感もない。
ただただ二人を見比べ、ああやっぱり格好いいなあと思うばかりだった。
動かないに痺れを切らせたのか、バージルはプリントの束を突き出して来た。
慌ててそれを受け取ると、バージルは立ち上がる。
「埒があかん。貴様はそこで一生ほざいていろ」
行くぞ、と呟かれその声にまた動けなくなりそうになる。
必死に足を動かしてすらりとした背中を見つめた。
しかしこれくらいでダンテが大人しくするはずもなく。