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【DMC】バージル夢短編集

第29章 悪魔よりも強い人 (逆ハー)



いつからだろうか。
ダンテが私によく絡むようになり。それを牽制するかのように、バージルもまた絡んでくるようになり。
それから二人は、いつも睨み合うようになった。

睨み合う中、ダンテがふっとを見る。

「そうだ 。後で一緒に買い物行こうぜ」

「あ、うん。いいよ」

「俺も行く」

すかさずバージルが言う。

「来んじゃねえよ」

途端に顔を歪ませるダンテ。
自分のものだというようにをぎゅっと引き寄せ、バージルを睨みつける。

するとバージルは、すっとダンテから視線を外したかと思うと、の頬に顔を寄せ口付けた。

「へっ…」

咄嗟にバージルの方を向いてしまう。
それがバージルに機会を与えるだけだと気付いた時には、唇にバージルの唇が触れていた。

「なっ…」

の身体を掴むダンテの手に思わずぎゅっと力が入る。

「何してんだよ!」

ぐいっとを引き寄せ、一歩離れ。
勢いで倒れてきたの唇に、今度は自分が噛み付くように口付ける。
バージルよりも長く。強く。荒く。

「んっ…」

強張るの体を腕にしっかりと抱き。
勝ち誇ったようにバージルを見る。


「は俺んだ」

「そんな事誰が決めた」

「俺が決めた」

バージルはすっと目を細める。

「決まり事は破る為にある」

「いいぜ。来てみろよ」

―――あぁ…、また喧嘩………


半ば呆れて息をつく。
この二人は私のことを物か何かだと勘違いしていないだろうか。それともお国柄?
唇にまだ温もりが残っていて、それがやけに恥ずかしい。

自分を包むダンテの腕を感じながら顔を傾けると、真面目な横顔が目に入った。
その氷の瞳は凛と前を見据え。悪魔と戦う時もこんな表情をするんだろうかと考える。

ここにいては巻き込まれる、とがゆっくり身体を離すと、ダンテは案外あっさりとそれを許してくれた。
しかし腕はまだの腰に触れたまま。
それがバージルの怒りを煽るものだとわかっていながら、離さない。


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