• テキストサイズ

【DMC】バージル夢短編集

第26章 本屋 (逆ハー)



は驚いた顔。バージルは、やはり邪魔をしてきたダンテに舌打ちでもしそうな顔。

「邪魔するな愚弟」

「何の邪魔だよ。俺はただ本取りたかっただけですー」

「餓鬼が」

「馬鹿兄」

睨み合う二人などいつもの事。
それよりもは、ダンテの手にある本を見て不審そうな顔をした。

「ダンテ…それ医学書よ?」

「んあ? いーだろたまには」

「豚に真珠。この馬鹿にこんな高等な本は読むだけ無駄だ。やめておけ」

「んだと!」

「あーもう喧嘩しないでよね! はいダンテも本離して! 破ける!」

問答無用でダンテの手から本を取り、元の場所に戻す。
一緒にいるから喧嘩するのだ。ダンテとバージルを離そうと、はダンテの背中を押した。

「ダンテ好きなとこ見てていいよ」

「もう見たからいい。といる」

「ん、わかった。じゃあ一緒にあっちに…」

「おい待て。俺はまだに話がある」

声に、足を進めかけたは立ち止まった。
そういえば本について話をしている途中だったのだ。

「あ、そうだ途中だったね。ごめん。…じゃあ、ダンテ先に行って…」

「やだね。といる!」

いやだからそれだと意味がないんですってば。
二人を離したいのにこの状況は何。

「すぐ行くからさ。ね?」

「じゃあ早く話せよ。俺は話が終わるまで待つ」

駄目だ。こうなったらもう何を言っても無駄だ。
は困ったようにバージルを見上げる。
彼はをじっと見ていて何か考えているようだったが、ダンテをひんやりと睨んだ。

「だから貴様は餓鬼だと言うんだ。、行ってやれ。俺は後でいい」

「う…でも…」

するとバージルはふっとの耳元に唇を寄せた。
小さく小さく囁く。

「先程から俺とダンテを尾けている奴等が目障りだ。片付けてくる」

「え…っ!」

顔を上げたの耳をわざと掠めるバージルの唇。触れる微かな吐息。
じんと暖かさが伝わる。

/ 203ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp