第25章 リボン解き (逆ハー)
胸を緩く引っ掻き太股に手を滑らせ、寝着の上から柔らかさを楽しむように撫でるダンテ。
その表情はいつもの子供のような雰囲気を失い、変わりにぞくりと寒気を感じる程妖艶で不敵な笑みを浮かべ。
ふざけたような言葉はその唇からは出て来ず、熱い吐息を感じたと思えばの唇はダンテに塞がれていて。
翻弄される。
本当何やってんの。クリスマスなのにこの展開、私何か悪い事しましたか?
誰か助けて。
そう思い視線を巡らせた先にはバージル。
そうだバージル。いつもダンテが私に手を出すと怒るのに。
なのに、今日は怒らない。
まるで遊ぶようにゆっくりと幾度も唇を重ねるダンテと、逃げられず苦しそうに目を細める。
バージルは、その様子をただ見ていた。
無意識に布団を握り締めるの手を撫で、彼女がダンテに狂わされていく所をじっと見つめていた。
その目はゆらりと光って興奮に揺れ、愉悦に揺れ、ダンテへの嫉妬に揺れ、怒りに揺れ、まるで動けなくなるような錯覚を覚える。
なんで。いつもと違う。
見てないで助けてよ。
そんな視線を向けないでよ。
すると、願いが通じたのか。
「ところで…」
バージルが、動いた。
の手を取り、布団からゆっくりと解いて剥がす。
唇を指先に、手の平に触れさせ、自分の頬に当て。
滅多に見られない満足そうな笑みを浮かべて。
救いを求めるようなの視線を捕らえたまま、その手をべろりと舐め。
「……っ!」
「プレゼント、貰えるんだろうな?」
突き落とす。
何もしていない今は、例えるならばプレゼントを見つけた時点。開けて、確かめ、中身を楽しむのはまだこれからで。
一晩、眠れないであろう事をは確信した。
2007/12/25
(バージルはひんやり鬼蓄でダンテは荒ぶる鬼蓄希望)